【漫画で学ぶ】日本人が間違いやすい英会話 第88話「話を元に戻す」

【本日のテーマ】「話を元に戻す」

今回は、いったん横道にそれてしまった話を本筋に戻すフレーズが登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。

◆日本人が間違えやすいポイント
日本人は、友人の家で旅行の計画について話し合っています。たまたまついていたテレビで野球のニュースが流れると、日本人と外国人男性は野球の話で大盛り上がり。そんなふたりの様子を見た外国人女性は、Hey, you guys, let’s get back on track. と一言。このフレーズの意味を理解できなかった日本人は、What about the track?(トラックがどうかしたの?) と聞き返しました。

「トラック」と聞くと、漫画の中の日本人のように「競技場のトラック(= track)」や「貨物自動車のトラック(= truck)」を思い浮かべる人が多いでしょう。track trˈæk】 と truck trˈʌk】はスペルも発音も異なりますが、日本人にとっては似た音に聞こえてしまうため、聞き取りする際は文脈などから判断する必要があります。

今回のフレーズで使われている track には、競技場のトラックのほかにも「(列車の)線路、軌道、(人などが動く)行路」、「(車・人などの通った)跡、足跡」、「(思考などの)流れ、筋道」などの意味があります。

on track は「軌道に乗って、順調に進んで、本題から離れずに」という意味で、線路をまっすぐ進むように、物事が軌道をそれることなく、順調に・正しく進んでいる様を表すイディオムです。
例えば、
Everything is on track.(全て順調です)
We’re on track to start the new project.(新プロジェクトのスタートに向けて順調に進んでいます)
のように使うことができます。

今回のキーフレーズ get back on track は、get back(戻る)+ on track で「話を元に戻す、本題に戻る」という慣用表現になります。「再び軌道に乗る、正しい軌道に戻る」「話を本題に戻す」とイメージすると覚えやすいでしょう。類似表現には get back on topicreturn to the main subject などがありますが、get back on track はシンプルでありながらとてもこなれた言い回しなので、ぜひ覚えておきたいイディオムです。

外国人女性が言った Let’s get back on track.話を元に戻しましょう)は、それてしまった話題を元に戻し、再び本題について言及しようと相手に提案するフレーズ。日常会話だけでなく、ビジネスシーンでもとてもよく使われる表現です。会話例で使い方を確認しましょう。

<例文1>
A: Why don’t we ask Matthew to be the MC for the party?
パーティーの司会をマシューにお願いするのはどう?
B: Oh, I heard that Matthew recently bought a car.
あ、マシューは最近車を買ったみたいよ。
A: That’s nice, but let’s get back on track. We need to decide on the arrangements for the party.
それは良いけど、話を元に戻そうよ。パーティーの段取りを決めないと。

<例文2>
A:  Maybe I should get a new bag. This one is old.
新しいバッグを買ったほうがいいかな。これ、古いんだよね。
B:  Let’s get back on track. We need to decide where we’re going to eat lunch.
話を元に戻そうよ。どこでランチを食べるか決めないと。
A: Oh, that’s right. Let me check.
ああ、そうだったね。調べてみるよ。

<例文3>
A: I hope that it doesn’t rain tomorrow.
明日は雨が降らないといいですね。
B: Let’s get back on track. We need to finalize the budget.
本題に戻りましょう。予算を確定させなければなりません。
A: Oh, sorry. I didn’t mean to change the topic.
ああ、すみません。話題を変えるつもりはなかったのですが。

◆さらに応用TIPS!
trackを使ったその他の英語表現も確認しましょう。。

get off track:本題からそれる、話が脱線する
We are getting off track.
話が脱線しているよ。

get back on track話を元に戻す)の前段階、「話が横道にそれる」ときのイディオムも押さえておきましょう。We are getting off track. は、話が本題からそれ始めたときに使います。会議の進行役を務めるときに覚えておくと便利なフレーズです。 

lose track of … :~を見失う、~がわからなくなる
She changes the topic so much that I can’t keep track of the conversation.
彼女は話題をコロコロ変えるので会話の内容を把握できない。

*追跡していたものを見失ったり、現状がわからなくなったりしたときなどに使います。また、何かに夢中になったときには lose track of time時が経つのを忘れる、何時か分からなくなる)といった言い回しも。

●keep track of …:~の記録をつける、~を把握する
It’s good to keep track of your weight for health reasons.
健康のために体重管理するのは良いことだ。

*「(事柄や状況などを)絶えず注意し、経過をたどる」というニュアンスのイディオムです。

 

漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド

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