【漫画で学ぶ】日本人が間違いやすい英会話 第78話「青天の霹靂(へきれき)」

【本日のテーマ】「青天の霹靂(へきれき)」

今回は、予想だにしない出来事が起きたときに使う英語表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。

◆日本人が間違えやすいポイント
日傘と傘の売上が倍増したことを日本人女性が伝えると、同僚の外国人男性は Really? Wow, that came out of the blue! と言いました。これを聞いたもう一人の同僚である日本人男性は、out of …を「~が不足して、~を切らしていて」という意味にとらえてしまい、店の青い傘が売り切れているのかと聞き返します。

確かに out of blue umbrellas であれば「青い傘を切らしていて」という意味になりますが、今回のキーフレーズの out of the blue は「突然に、思いがけなく、出し抜けに」という意味のカジュアルなイディオム。come out of the blue で「青天の霹靂である、突然やって来る」という意味になり、予想もしなかった出来事が不意に起きるときなどに使います。

out of the blue は、a bolt out of the blue を省略した表現と言われています。boltは「雷、稲妻」、blueは「青空」を指し、「青空から雷が落ちるくらい予想外のこと=思いがけない出来事」を表すことから、out of the blue が「突然に、思いがけなく」という意味になりました。

out of the blueを使った例文を確認しましょう。

<例文1>
Sales were flat for most of the year, and then in June they skyrocketed out of the blue.
一年の大半は売上が横ばいで、その後6月に突然急上昇した。

<例文2>
George told me out of the blue that he was quitting.
ジョージは仕事を辞めたと突然私に話した。

<例文3>
I turned on my computer and out of the blue it made a strange sound.
コンピューターの電源を入れたら、突然変な音がした。

<例文4>
Mike said the stock market crashed out of the blue, but I knew it was going to happen.
マイクは株式市場が突然暴落したと言ったが、私はそれが起こるだろうと思っていた。

◆知っておきたい英語表現
続いて、out of the blueの類似表現を例文とともに見てみましょう。

●unexpectedly:予想外に、思いがけなく
The price for vegetables unexpectedly skyrocketed.
野菜の値段が予想外に高騰した。

●without (any) warning:何の前触れもなく、いきなり
Without any warning, Nancy left college and moved to Hawaii.
何の前触れもなく、ナンシーは大学を辞めてハワイに引っ越した。

●out of left field:突然に、思いがけなく
I heard ABC went bankrupt. It really came out of left field.
ABCが倒産したと聞いた。それは本当に突然だった。

◆さらに応用TIPS!
out of the blueのように、blueという単語を使ったイディオムをご紹介します。

feel blue:気が滅入る、落ち込む
Whenever it rains, I feel blue for some reason.
雨が降るたびに、どういう訳か気が滅入る。

→憂鬱になることを日本語で「ブルーになる」と表現することがありますが、まさにぴったりの表現が feel blue です。
似た表現に have the blues もあり、こちらは Rose lost her job, and now she has the blues.(ローズは仕事を失い、今は元気がない)のように使います。

once in a blue moon:めったに~ない、ごくたまに
George is late to work once in a blue moon.
ジョージはめったに仕事に遅れない。

→由来は諸説ありますが、空中の細いちりによってまれに月が青く見えること、また
blue moon がめったに見ることのできないものの例えとして用いられていることなどから、このイディオムはごくたまにしか起こらない物事に対して使われます。

until one is blue in the face:疲れ果てるまで、とことん
I talked to him until I was blue in the face, but he didn’t listen.
私はとことん彼と話したが、彼は聞く耳を持たなかった。

「顔が青くなるまで」という直訳から「疲れ果てるまで、とことん」という意味に。時間をかけて徹底的にやるニュアンスを表現できます。

漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド

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