【漫画で学ぶ】日本人が間違いやすい英会話 第84話「ドタキャンする」

【本日のテーマ】「ドタキャンする」

今回は、あらかじめ決まっていた予定や約束を直前になってキャンセルするという意味の表現が登場します。さっそくポイントをおさらいしてみましょう。

◆日本人が間違えやすいポイント
日本人の男女が街を歩いていると、バッタリ外国人の友人に会いました。どことなく沈んだ様子なので何があったのかをたずねると、どうやらバレンタインにケイトと映画を見る予定だったとのこと。But she canceled at the last minute. という言葉を聞いた日本人は、このフレーズの意味がわからず、last minuteを「最後の1分」ととらえ、ケイトが映画のラストシーンを見なかったのかと誤解してしまいます。

at the last minute は「土壇場で、直前になって」という意味で、最後の最後、ギリギリのニュアンスを表現できる決まり文句。今回のキーフレーズの cancel at the last minute は「ドタキャンする、直前になって中止する」というイディオムで、あらかじめ決まっていた予定や約束を直前に取りやめることを表します。つまり、She canceled at the last minute. で「彼女はドタキャンした」という意味になります。

She canceled on me at the last minute.のように on + 人称代名詞の目的格を入れて使うこともできます。「彼女は私との約束をドタキャンした」という能動態の文章ですが、on me を入れることにより、相手の勝手な都合で迷惑をかけられた、不快な思いをした感じが表現でき、「私は彼女にドタキャンされた」というニュアンスになります。
「ドタキャンされた」と言う場合、I was canceled on her at the last minute. という受動態の文章にしてしまいがちですが、これは不自然な英語表現。誤って使わないように注意しましょう。

at the last minute の前には cancel のほかにもさまざまな動詞を置くことが可能です。ほかの動詞をともなった使い方を例文で確認しましょう。

<文例1>
I decided at the last minute not to go to the seminar.
私は土壇場でセミナーに行かないことに決めた。

<文例2>
If we change our plans at the last minute, we’ll have to pay a penalty.
直前になって計画を変更した場合、私たちは違約金を支払わなければならない。

last-minute change土壇場の変更)、last-minute cancellation直前のキャンセル)のように「土壇場の、直前の」という形容詞としてのlast-minuteの使い方も覚えておきましょう。

また、at the last minuteとあわせて押さえておきたいのが until the last minuteギリギリまで、最後まで)です。

<文例3>
Don’t wait until the last minute.
ギリギリまで待たないで。

<文例4>
Mary always leaves her homework until the last minute.
メアリーはいつも最後まで宿題に手を付けない。

といった表現があります。

◆知っておきたい英語表現
では、なんとか時間に間に合ったときの「ギリギリセーフだった」はどう表現されるでしょうか?

英語で I was just in time. / I just made it. / I barely made it. / I made it just in time. などと表現できます。
You’re just in time. /  I just made it. /  You barely made it. / You made it just in time. なら「ギリギリセーフだね、ちょうど間に合ったね」と相手に対して言うフレーズになります。

また、車にひかれる、株で損をする、提出物が遅れるなどの危機を回避できたときの「ギリギリセーフだった、危ないところだった」には、That was close. という表現がピッタリ。形容詞 close には「接近した」のほかに「きわどい、かろうじての」といった意味があることから、ギリギリセーフのニュアンスを表現できます。

相手から誘いを受けた際、「誘いに乗る」「誘いを断る」「返事を保留する」場合のそのほかの表現も確認しましょう。

◆さらに応用TIPS!
最後に「ドタキャン」に関するその他の英語表現を3つ紹介します。いずれもカジュアルな言い回しで、親しい友人との会話等で用いられる表現です。

She stood me up.
彼女は私との約束をすっぽかした。
stand someone up で「人との約束をすっぽかす、人に待ちぼうけを食わせる」。人を立たせたまま待たせている→すっぽかすとイメージすると意味をとらえやすいでしょう。 I was stood up. なら「私はすっぽかされた」という意味になり、待ち合わせた相手が来なかったときに使うフレーズです。

She backed out at the last minute.
彼女はドタキャンした。
back outは「(事業などから)手を引く」のほかに「(約束などを)取り消す、破る」というイディオム。at the last minute を付け足したback out at the last minuteで「土壇場で取り消す」→「ドタキャンする」という意味になります。

She bailed at the last minute.
彼女は直前になって逃げ出した。
bailが持つ意味は、名詞で「保釈(金)」、動詞で「保釈させる」ですが、それが派生して「逃げる、立ち去る」という意味でも使われています。bail at the last minuteで「直前になって逃げる、ドタキャンする」というニュアンスになり、約束や用事から逃げ出すことを指すスラングとして用いられています。

 

漫画イラスト: トーマス・オン・デマンド

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